Patent Business現場の職人から特許ビジネスへ。
働き方改革ということばが浸透し、転職マーケットを鑑みても、売り手市場である現在。この職人気質の現場仕事というのは、なかなか好んで働きたいという方がいないというのが現状です。実際働いてもらえれば、我々がその質にこだわり、不断の努力で磨きあげている土間は、今以上、それ以上という想いを掻き立ててくれるもので、やりがいはあるのです、きっと。ですが、実際現場に入りたいと考える人の数は、圧倒的に減っています。
「withコロナ」「アフターコロナ」と呼ばれる、コロナウイルス発生以降の未来というのも、景気は影響あるにしても、我々の業界が買い手市場になることはないでしょう。残念ながら。
その採用に苦労してきたという過去の経緯が、この現在の上成工業の生業に与えている影響が多分にあります。上成工業の前、床左官を主としていた木場組では、事業拡大、人材育成をしていましたが、やはり人材確保というところで、なかなか中長期の計画が描きづらいということがありました。そして、それは木場組だけの話ではなく、この業界が抱えている共通の課題でした。
そこで考えたのが、どんな人材であろうと、木場組が関わる現場は、同じクオリティを納品できるようにしたいという想いでした。なので、これまで職人の暗黙知で、成り立っていたものを、できるかぎり形式知にしていくというところからのスタートでした。言葉で書くと、簡単そうなのですが、これが非常に大変で大変で。困難を極めるとは、このことでした。
「きれいな床」というのは、そもそも人それぞれでした。当たり前です。感覚の世界だったのですから。それを「何が正解か?」ということを考えたら、答えは数値で表現することでした。そしてその数値を追い求めることが、現場の再現性を可能にするということであり、マニュアル化、オートメーション化することにつながりました。
結果、マニュアル化・オートメーション化ということで、現場は同じゴールを描くことができました。そして、そこを均一化することで、圧倒的な時短を現実のものとしました。結果それは共に現場で働く企業様から、圧倒的に選ばれるものとなりました。
特許取得ということに関しては、当初はあまり考えていませんでした。ただ類似するものを用意されるリスク、現場の床クオリティの低下。起こりうる事態というのは容易に想像できました。そうならないためにやらなければならないこと。それが工法特許に行き着いた理由です。なので、我々の工法は、言葉が通じない海外においても、同じ手法で同じコンクリートを敷くことができます。それが上成工業クオリティです。